Q2.そもそも憲法って何?

A.憲法は国民が国家に課すルール

憲法は「法律の一つ」ではありません。
法律は国家が国民に何らかの規制を課すときのルールですが、憲法は国民が国家に課す義務、国民の人権保障のために国家権力を制約するルールです。国家は国民のどんな権利を保障しなければいけないか、国家の義務=国民の権利を定めたものです。
 なぜ、国民の意思に基いてつくられた「国家」であるはずなのに、あえて憲法で拘束するのでしょう。それは、そもそも国家が国民の人権を制約することで統治する機関だからです。国を統治するためのあらゆる強大な権力を使って人権を制約する以上、少数者や弱者の人権が踏みにじられる場面が生じるのは自明のこと。国民にとって国家とは、信頼し依存すべきものではなく、常に懐疑し、村峠すべきものです。
 だからこそ99条では天皇・大臣・国会議員・裁判官等、憲法を遵守する義務を負う人を明記しています。それは、彼らこそが人権侵害をするブラックリストの人々だからです。そしてその公務員を、選び罷免する権限も国民にあると定めています。また、憲法は、国会議員が法律をつくるときの規則となり、法律のように国会の議決だけでは改正できません。さらに、国会という多数決の場で法律が制定されるため、少数者の意見がとり残されてしまう危険があります。たとえ少数者であろうと、人は皆個人として尊重されなければならないのですから、万一少数者の人権を害するような法律が制定されてしまったとき、その法律を違憲無効とする権限が、国会から独立した裁判所に与えられています。裁判官も憲法に拘束される以上、国会の裁量権よりも個人の権利をこそ、優先して保障する義務があります。
憲法は、国家が国民のどんな権利を保障する義務があるかを列挙した上で、さらにその権利を効果的に実現する方法を提示しています。国民が政治に参加する手段、裁判所を活用した異議申し立てなど、方法はたくさんあります。国家は法律で国民に制約を課しますが、その国家の行為はすべて憲法によって拘束されます。
憲法という立派な手段があるのに国家が私たちの人権をふみつぶすような現実が生じているならば、それは憲法を十分に活かしてこなかった私たちの責任ともいえます。

1人のいのちは国家よりも重い
 もし国家に「死ね」と命令されたら、素直に従いますか。黙って諦めますか。
憲法に掲げられている様々な権利は、私たちが、国家ではなく自分自身のために、それぞれに思いえがく幸福を自由に追求して生きるためのものです。
いわば人間が生きるために大切なあらゆる営みは人権です。憲法で認められているから大切なものでも、条文にあげられているから守らなくてはいけないのでもない。何よりも大切な人間のいのち、いとなみを守ろうとしているから、憲法は法律よりも重要なルールと認められているのです。国家のために人間が存在するのではありません。私たちの幸福実現のために機能してはじめて、国家の存在が容認されます。(憲法前文1項後段)そして、あなたの幸福がふみつけられそうになつたら、NOと声をあげる。あなたの幸福のために憲法を活かすことができるのは、他の誰でもないあなただけです 。


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