Q8.アメリカの「テロ報復戦争」と日本の協力は当然?

A.「報復戦争」は新たな悲劇を連鎖的に呼び起こす
去る2001年9月11日のアメリカ国防総省本部(ペンタゴン)と世界貿易センタービルにハイジャック機が突っ込んだ事件は、全世界に衝撃を走らせました。
いま、アメリカ国内では、国民の圧倒的多数が「報復戦争」を支持しています。
しかし、「テロ防止」のためにアメリカがアフガニスタンを軍事攻撃することや、これに日本が協力することが、はたして当然なのでしょうか?
 もちろん、私たちは、犠牲となつた5500人もの方々を追悼し、「テロ」が再び くり返されることをなんとしても防がなければなりません。しかし、「報復戦争」によっては、この悲劇はなくならないどころか、新たな悲劇を連鎖的に呼び起こすことは明らかでしょう。実際、今度はアフガニスタンの人々が空爆の犠牲になっています。
 
 そもそも、アメリカの力(ペンタゴン)と富(WTC)の象徴を破壊した今回の事態は、なぜ生みだされたのでしょうか? それは、アメリカが「テロ支援国家」だとしてスーダンやイラクなどを爆撃し、多くの人々を犠牲にしている他面で、「国家テロ」といわれているイスラエルによるパレスチナの人々にたいする軍事的弾圧や軍事
的占領については容認するというダブルスタンダードをとったり、メッカやメディナというイスラムの聖地があるサウジアラビアに異教徒である米軍の基地をおくというイスラム教を信仰している人々にとっては到底許せない行為をしていることが背景にあります。また、実際、今回の事態についてどう思うかと尋ねられたパレスチナの子
どもたちが「自分たちは毎日同じ目に遭っている」と答えていることに思いをはせるべきではないでしょうか。これらのことに一顧だにすることなく、「アメリカに味方するのか、テロリストに味方するのか」と全世界に二者択一を迫り、アメリカに味方しないものは「制裁」を受けてもやむをえないなどとするのは、あまりにも傲岸不遜
なのではないでしょうか。
 
今回のような悲劇を二度とくり返さないためには、「報復戦争」ではなく、アメリカが、これまでの誤りを認め、パレスチナにたいするイスラエルの軍事的威嚇と軍事占領をやめさせ、サウジアラビアから米軍を撤退させることではないでしょうか。
 日本は、たとえ「憲法の枠内」であってもアメリカの「報復」に協力すべきではありません。ところが、いま小泉首相は、現行憲法を真っ向から否定する自衛隊の派兵=参戦をおこなおうとしています。
「国際協調が憲法の理念であり、国際社会から孤立しないことが過去の戦争の教訓だ」(小泉首相)と、あたかもアメリカの「報復戦争」に協力して日本が参戦することこそ憲法の理念を守ることであるかのように押しだしながらです。

 しかし、憲法が過去の戦争の教訓としていることは、かつての日本の侵略戦争によって日本国民300万人を含むアジア2000万人の犠牲を払った、この悲劇を二度とくり返さないことです。そのために憲法は戦争放棄と戦力不保持を謳っているのです。「国際協調」の名のもとに参戦することが憲法の理念ではありません。それは、平和憲法の否定以外のなにものでもありません。今回の事態がつきつけたものは、「軍事力による平和」 や「力による支配」は、けっして平和ではないということであり、恒久平和を実現する道は、戦争放棄と戦力不保持を謳った「平和憲法」を実行することにある、すなわち、世界から貧困・抑圧・差別をなくすように努力するということではないでしょうか。

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