第6回みんなで憲法を語ろう会
(2001年11月17日 於:京橋プラザ区民会館・多目的ホール)

 〜120名余が集い、アフガン戦争、日本の参戦・憲法改悪に反対!

11月17日(土)に「第6回みんなで憲法を語ろう会」を開催しました。

京橋プラザ区民館・多目的ホールにおいて午後2時過ぎから開催したこの集いには、120名余の市民が参加。
「アメリカの『報復戦争』と日本の参戦・憲法改悪を許してはいけない」と題し、パネリスト・参加者全体で三時間 以上にわたって、活発にディスカッションを行いました。
以下はその報告です。


第6回みんなで憲法を語ろう会」で募ったカンパをペシャワール会・中村哲氏に手渡してきました
「アリにたいして、数十匹のゾウが全力で襲いかかるようなもの」とも例えられる米英軍によるアフガニスタン軍事侵攻。それは770万人ともいわれる飢えと寒さに苦しみ生死の境界線上にあるアフガニスタンの人々に追い打ちをかけ、90万人から100万人の人がこの冬を越すことができないといわれています。
このなかで私たちは、11月17日に開催した「第6回みんなで憲法を語ろう会」の場で、参加者にアフガニスタン支援のカンパを呼びかけ、集まった4万700円をペシャワール会にカンパしました。
 「第6回みんなで憲法を語ろう会」終了後、反改憲ネット21の事務局員が、同日夕方から社会文化会館で開催れた中村哲氏講演会に駆けつけ、講演会終了後、直接中村哲氏に手渡してきました。

 

プログラム

1.主催者あいさつ−−−元山俊美さん
2.アメリカの「報復戦争」日本の参戦・憲法改悪についておおいに”だべる”150分
〜パネリスト〜
・イスラムの学生−−−ファティマさん
・日本の大学生−−−高橋さん
・元山俊美さん−−−反改憲ネット21世話人
3. 集会アピール

主催者あいさつ――元山俊美さん
  9・11は、超大国USA崩壊の序曲

元山俊美さん)いま司会者が話したように、今度の「テロ」は、世界を揺るがしたというのは間違いないと思うのですが、私は9月11日にテレビを見ておりまして、「これは、カメラを撮っている人もちゃんと分かっているのではないか」と思いました。何故かというと、自爆の飛行機が貿易センタービルに入ってくるところをカメラの真ん中でとらえている。みなさんも経験があると思いますが、カメラを撮る時はちゃんと狙って写しますね。あれは、まさに狙って、前から用意していたような画面なんですよね。ですからこれは、やる者と写す者とがちゃんとつながっているなと私は勘ぐっちゃって、もう本当に。あれだけ真正面でとらえるということは、逆に不自然だと思いました。あれだけの事件を撮るのに。それくらいに思ったくらいですから、みなさんもそうじゃなかったかと思います。
 もう一つは、その直後思ったのは、あのマンハッタンの象徴的な場面は、世界を制覇している超大国USAの崩壊の序曲として何世紀か後に記録されるのじゃないか、と思いました。私は湾岸戦争以来、アメリカがいつ狙われてもしかたがないと思っていました。「窮鼠、猫を咬む」という例えがありますが、アメリカの歴代大統領は、中東にたいしてどれだけの介入をしてひどい目にあわせてきたか。「昨日の敵は今日の友」という言葉がありますが、アメリカのやってきたことは、「昨日の友は今日の敵」です。アメリカの「国益」の欲しいままに、他国の国益を侵害し、主権も侵害し、懐柔をおこない殺戮までやった。アメリカが狙われるのは当たり前です。恨まれるのも当たり前です。今度のアフガンのイスラムのみなさんでなくても、狙いたくなると思います。
9・11が何故起こったのかを考えてこそ、「テロ」をなくす道も浮かぶ

元山)しかも「自爆テロ」。「同時多発自爆テロ」と、「自爆」の字が入らないと、本質的なものが語り尽くせないように私は思います。爆弾を抱いて自分の命ははじけ飛んでしまうという、思い詰めた決意のもとにやった。あわよくば自分は生き残るというのは全然ないわけですから、よほどの決意と執念がないとできない。ですから私は、9.11から始まってはいけない。本当に人間の心、本当の意味での「社会正義」「人道」というものがあるならば、私は9.11以前にブッシュたちがとった中東やアフガンの地域へのひどいやり方を考えてこそ、初めて「テロ」絶滅の方法、考えが浮かぶのではないかと思います。
 いま、「テロ撲滅」ということがいわれていますが、「撲滅」は読んで字のごとく殴り倒すということです。これは暴力です。暴力を否定しておきながら暴力でやろうというのですから、それで「人権」だの「民主主義」だのとよく言えるわ、と思います。もう少し自分の胸に手をあてて考えてほしいと思います。何故そういうことが起きたかということを追求する、歴史的なものにさかのぼって議論することが「テロ」をなくす道じゃないかと思います。
 ブッシュ大統領は命にかかわらずビンラディンをとらえるといい、最近では30億円の賞金をかけるというビラを撒いたそうです。これは、裏切りの煽動です。ブッシュは、「テロは卑劣」と言いましたが、これこそ卑劣な行為じゃないですか。とにかく、権謀術数、あらゆる手を使ってやっている。こういう状況について、また、この問題の根本的なものを考える必要があると思います。
 ブッシュは11月10日に国連で演説しました。「テロ組織が核・生物・化学兵器の能力を手にすれば直ちに使うだろう」と警告してるんですね。私は、よく言うわと思いました。広島・長崎に原爆を落としたのは誰なんですか? アメリカじゃないですか。原爆の能力を手にしたとたんにやった。自分たちが使ったから恐らくテロ組織もやるだろうと、自ら白状したんです。理性も良心も失せたこのアメリカの傲慢さ、恫喝性というもの、何回も触れていかなくちゃならんと思います。自分がやましい気持ちを持っているから、自分が攻められて恐れおののく、こういうことを私は思いました。
 昔、街頭で「ガマの油売り」というのがありました。ガマというのは、大きなヒキガエルのことですが、このガマの油は、どうやってとるかというと、筑波山のガマを四面鏡の器に入れておくんだそうです。するとガマは自分の顔が鏡に映る、その映った自分の顔を見て油を出すそうです。その油をとったのが「ガマの油」と言うんです。ブッシュもそういう状況に置かれて、もう分別も何もなくやってるんじゃないかと思います。だから9月11日の後、自分のやったことの呵責に責められて居直ったんじゃないかと思います。

 自衛隊の参戦はアメリカの世界支配との関係でとらえるべき

元山)ゆうべ「テロ対策特別措置法」にもとづく「基本計画」が閣議で決められました。その中身は、航空自衛隊がインド洋のディエゴガルシア島からグアムまで出動させる。いつでも飛んでいくというのですね。海上自衛隊は、航空自衛隊の行動範囲を超えてシンガポールを一つの中心としながら、西の方はインド洋、湾岸戦争でやったペルシャ湾、アラビア海まで行動する。南の方は、オーストラリアまで軍艦が行動する。私は、帝国海軍の頃を知ってますから、帝国海軍の行動半径と全く同じ出動を、今度の「テロ対策措置法」で決めてしまった。しかもこれを、指示するのは防衛庁長官の中谷で、国会では事後承認になっている。
 これは昔の帝国海軍より暴走しています。何がシビリアン・コントロールですか。こういう事態を思うにつけ、これはえらいことになるなと思います。ところが、この「テロ対策特措法」に国民の51%が賛成しています。賛成している人は、この中身や内容にはたして気づいているのだろうかと思いますね。問題が起きたときには、その責任を51%のみなさんがひっかぶっていただければいいのですが、残っている49%もひっかぶらされてしまうんですからこれは容易ならない状況です。そういうことを感じました。
 さかのぼって、10月1日にアメリカの国防戦略、「ならず者」戦略といいますけれども、その見直しをやりまして、アジアの軍事体制を強化することを決めました。このアジアの軍事体制を強化することが、今の「テロ対策措置法」における日本の自衛隊の行動とセットにされていると思います。インド洋や南太平洋には中国、ロシアの潜水艦が水族館の魚みたいに動いているそうです。ですから、イージス艦の派遣は延期になったようですが、何故イージス艦をだそうとしたかというと、中国やロシアに対抗するために軍事体制を強化する、そういうことを狙っているからです。アフガンにおける軍事行動は、単にアフガンだけでなく、次に来るアメリカの世界支配の枠組みの中におけるアジア、中国、ロシアを狙ったところの軍事布石、これに自衛隊が組み込まれる、こういう戦略体制をきちんととらえないといけないと私は思います。そうしないと、これから先の私たちが取り組むべき道はでてこないのじゃないかと思います。
 若干の問題提起を含めて、私の主催者の挨拶とさせていただきます。

問題提起
中東やイスラムの人たちは、どう見ているか?――ファティマさん


ファティマ)私はハーフでして、父はイラン人です。イランというのは、いま話題になっているアフガニスタンの隣にある国です。
 私は、どちらかといえば日本の方が長くて、10年以上日本に住んでいます。でも、日本にいるときもずっとイラン人学校に通っていたので、周りの友だちにはイランの人が多くいます。
 私は、今回のテロ事件が起きた直後から、今回の問題について大学で日本をはじめいろいろな国の学生と話しました。そのなかで、本当にいろいろな見方があるんだなと思いました。アメリカや日本、あるいは他の先進国と、中東の国の人とでは根本的な考え方も含めて違うものがあるんだなと感じています。
 きょうはこういう機会を得まして、みなさんに中東やイスラムの人たちが今回のテロ事件や戦争をどんなふうにみているのか、どんな視点から、どんな意見を持っているのか、ということについて話してみたいと思います。
 一番考えなければならないことは、「テロ」が何故起こったのか

ファティマ)私個人の意見としては、アメリカが今回テロを受けて、6000人の何の罪もない人が亡くなったということですごく悲惨な出来事だと思ったのですが、アメリカのいま行っているアフガニスタンへの空爆について日本のメディアでは基本的に「しかたないこと」とすすんでいる。「テロはひどいことであって、それをつぶさなければいけない。そしてそのためにはどんな手段でもやらなければどうにもならない、テロは無くならない。つぶすべきだ」という意見が主ですが、それを見ていて「どうしてそう思うんだろう?」とすごく不思議に思いました。
 それは何故かというと、確かにテロが起こったのは悲惨なことで、それはどんな人間、アメリカ人であれ、日本人であれ、中東の人であれ、もちろん他のどこの国の人であれ、悲惨だと思うのは一緒だと思うんですね。みんな人間なんだから、そんな悲惨なことが起きてそれで良かったと思う人は誰一人いないだろう、と。では、その中で、何を一番考えなければいけないかというと、それは、何故そのテロが起こったのかだと思うんですね。なぜなら、こんな大惨事を起こして、ひどいことだけども、じゃあどうしてテロを起こした人たちはそんなひどい、残酷なこと、「自爆テロ」、自分が乗った飛行機を運転しながら自分が死ぬことを分かっていながら、突っ込むことがどうしてできたのか。どうしてそんなことをやる気になったのか。それも超大国のアメリカにたいして。ここを考えなければいけないんじゃないかと思うんです。
 このことについて、私は子供の頃から中東の人たちのあいだで暮らしてきたので、すごく簡単に理解できたことなのですが、やはり日本の普通の人たちは中東の問題やいろいろな歴史的な問題にあまり詳しくないということもあって、最初に思い浮かぶのは、「テロはひどくて、テロを起こした人が中東の人ならばすごく野蛮で、なんて人たちなんだ」ということなんですね。もちろん、私もそう思います。テロを起こした人というのは、簡単に言っちゃえば残虐な犯罪者ですよね。それはそうなんですが、じゃあ何がこの人たちをこういうことを起こさざるを得ない状況まで追いこんだのか、というのが今回起きたことで私たちが一番学ばなければいけないことなのだと思います。

 中東の人がアメリカを嫌っているのは何故か

ファティマ)いまアメリカは、戦争をしかけていますが、それでアフガニスタンが崩壊して、テロリストが全滅したからといってはたしてテロはなくなるのか? 何が人々にテロをさせるのか、というのはすごく簡単なことです。アメリカのそういう行動に反発しているのです。アメリカは攻撃を受けたということでまた攻撃をしかけていますが、その仕返しをするということ自体に反発しているんです。
 中東とアメリカの問題というのは根が深いものがあります。全部を説明しようと思うとすごく長い話になってしまうのですが、中東の人は、基本的にアメリカを嫌っています。もちろん、一口に中東といっても、国によって違いますし、同じ国の人であっても人によって違いはあります。実際、今回のことについて、アメリカに賛成している国はたくさんありますよね。アラビア諸国のように賛成している国はありますよね。でもそれは国が賛成しているのであって、国民が賛成しているかどうかといえば、別の話になりますよね。また、国によっても、賛成している国もあれば、イラクのようにあからさまに反対の国もありますが、私の国のイランのように、「テロにも反対、戦争にも反対」という国もあっていろんな国がありますよね。
 じゃあ何故中東の人がアメリカを嫌うのかというと、それは昔からアメリカが中東にしてきたことがすごく根強く残っているのですね。たとえば、今のパレスチナとイスラエルの間で戦争が長く続いていて、あまりニュースでは流れませんが、毎日のようにそこでは戦争が起きています。それは基本的にパレスチナの人たちがイスラエルの人たちに攻撃されていた。イスラエルはいろいろな武器や兵器をもちながらパレスチナを攻撃していますが、パレスチナの人たちは全く何もない貧しい人たちで、何も無いから石を持って戦うしかないような弱い国です。そして、イスラエルのバックについていたのがアメリカです。そこにいるパレスチナの人たちはどう思うでしょう? 「アメリカは偉大な国。すごく進んでいていい国」と思えるのでしょうか?

 アメリカが中東でしてきたことは?

ファテイマ)私は、9月11日のテロが起きたときにテレビを見ていると、パレスチナのおばさんかおばあさんかが、今回のテロについて大感激しているニュースが流れていました。みなさんは、それを見てすごく不思議に思いませんでしたか? 6000人もの罪のない人が亡くなって、それを見て喜んでいる人が世界のどこかにいる、何故そんな罪のない人たちを恨んでいるのか、と。
 でも、そのパレスチナのおばあさんは、その亡くなった6000人のことを恨んでいるわけではないのですね。一番最初は興奮したでしょうが、多分その後に考えて、「ああ、6000人もの人が死んだ。なぜ私はそんなに喜んでしまったんだ。」と思うと思うのです。でも何故その場で喜んだかというと、やはりアメリカが攻撃を受けたからなんですね。毎日のように戦争が起こっている私たちの国で、自分の子供や兄弟や親や親戚、友だち、全てが毎日のように死んでいる国で、それに協力しているのがアメリカで、そういう人が今回のテロを見て、一番最初に思うことはやっぱりそれなんですね。最初に「6000人が死んだ」ということではなくて、「アメリカが攻撃された。あの超大国・アメリカが攻撃された」、そうとらえて喜んだのだと思います。
 しかも中東でアメリカがかかわっているのは、パレスチナとイスラエルの戦争だけではありません。アメリカがイラクを攻撃した湾岸戦争や、私の国のイランでも二十年以上も前ですがイラン革命がありまして、その前までは王様の制度で、その王様を選んでいたのはアメリカだったんですね。アメリカが自分の好きな王様を選んで――その王様はイラン人ですが――その国に君臨させる。そして自分の思いどおりにその国を動かす。一番手っ取り早い、一番簡単な方法で、戦争もなくその国を自分の支配下におけるということですね。それで、石油をはじめイランが輸出できる全てのものをタダ同然でアメリカが輸入したりとか、そういうことをさんざん行ってきた。それに反発している国民の声をまったく聞かずに、結局は国民がたちあがって革命をおこして今に至り、今は王様が君臨している国ではないのですが、そういう昔からアメリカが中東にやっていることがあるので、中東の人たちは基本的にはアメリカを嫌っているんです。

 嫌っているのはアメリカの人ではなく制度


ファティマ)でも、アメリカを嫌っているというのは、もちろんアメリカの人々を嫌っているのではなくて制度を嫌っているということです。今回のように傲慢に自分の国がやられたからといって、すぐに相手の国をつぶすのだと言っているアメリカです。
 しかし、それでつぶしたからといって、自分の母親や子ども、家族が亡くなった人はまたテロを起こそうと考えますよね。確かに、いったんつぶせば10年、20年は安泰かもしれませんが、その後にそういう環境で育った子どもがアメリカに敵対する。そしてまたテロが起きる。私は、今回のことの解決として、つぶすというのは全く解決方法になっていない、逆に火に油を注ぐようなものだと思います。
 中東の全部ではありませんが、テロを起こした人、さらにテロなんか全然考えてもいないような人のところに、火が少しついているところに油を注いでいるといわざるを得ません。
 パレスチナで毎日のように死んでいる人たちというのは、価値がないのかと、私は問いかけたくなります。確かに6000人の人が死にました。そしてすごく悲しいことですけれども、パレスチナでは毎日のように人が亡くなっているのに誰も何も言わない。パレスチナの人は何も言っていない、何もできない、アメリカも他の国も何かするわけではない。でも今回、はじめてアメリカが攻撃を受けて6000人の人が死んではじめて「ああ、なんてことなんだ」となっています。
 アメリカにはもう少し考えてもらいたいですね。いろんなことについて、いろんな考え方について、と私は思います。
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