有事法制反対の申入書

2003年4月8日
武力攻撃事態への対処に関する特別委員会委員 殿


有事法制反対の申入書

 この度、有事関連3法案がまたも国会に提出されようとしていますが、私たちは次のような疑念と危惧をもつことにより、これに強く反対してきました。

 第一に、有事法制の想定する「武力攻撃事態」なる概念は、武力攻撃の発生だけでなく「おそれ」や「予測される事態」も含むとされているが、しかし「我が国に対する外部からの武力攻撃」の事態は、現状では想定できないことは、防衛関係者自らが言明していること。
 にもかかわらず「日米間の相互協力及び安保条約に従う必要な行動」を示すこの法案が提出された狙いは、「有事」下で米軍の軍事行動に自衛隊を軸とした日本が協力することにほかならず、米国が引き起こす戦争に国民は否応なく巻き込まれるであろうこと。

 第二に、「武力攻撃事態法案」における「国民の自由と権利への制限」では、言論・表現・報道の自由など、国民の基本的人権を著しく侵すことは明らかであること。

 第三に、この法案における「地方公共団体の責務」では、首相が自治体を直接指揮するという強権的条項があること。また、骨子が作成される「国民保護法制」では、私権の制限や罰則も盛り込まれており、これらは地方自治権、国民の財産権が損なわれること。
 総じて、「有事」という戦争事態への対処を想定すること自体、「戦争放棄」、「交戦権の否認」を明記した日本国憲法の条項にもとること。

 以上ですが、これらの問題点は先の国会審議の中でもいよいよ明らかとなっており、一部の字句修正でもなんら変わるものではありません。この法案の提出理由には「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に資する」とありながら、どの角度からみても国および国民の不利益を招くことは明白です。
 究極の有事対策とは「有事の未然防止」であり、特定の国を脅威とみた防衛体制、またイラク戦争のような殺戮を繰り返す「力の政策」から、もはや訣別すべきです。そして、日本国憲法第9条の意味を再度確認し、交渉による問題解決の道を探るべきです。

 私たちは、「再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすること」および「主権が国民に存すること」を宣言した日本国憲法の理念を根底から覆すこの有事法制に強く反対を表明し、部分的修正協議などという措置でなく、廃案とすることを改めて申し入れます。

 民主主義と平和憲法を守る文京連絡会
 改憲とあらゆる戦争法に反対する市民ネットワーク21
 日本国憲法をくらしに生かす会
 憲法擁護・非核平和を進める中野区民の会
 テロ特措法・海外派兵は違憲 市民訴訟の会


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