ここに掲載する詩は、作者のご厚意で掲載させていただくことになりました。
     今後も定期的に掲載する予定です。
「微笑 」 
         増岡 敏和さん

あなたたちの まだ

まばたきもしないうちに 彼らは

勝手に 攻めてきて

戦争の事後承認を強いている



岩の割れ目に木もなく土埃のたつ斜面に

へばりついている民家を

ミサイルにぶら下げられた「正義」が 空から

住民は標的ではないと弁解しながら
 


テロを撲滅するという世界の同意が

いつか別の意図にすり替えられ

勝手に復仇し成敗する権限をほしいままに

精緻に「誤爆」くりかえされて



 

 

あなたたちは雪崩れて難民となる

むかし埋められた地雷原を踏み あたふたと

子どもを腹にくくりつけて だが

殺されるのも殺すのも嫌だという論理を背中に



水もなく食べ物もなく

電気ガスも断たれて 寒気に追われ

激しくわななく己が心にも追われ

日に夜に追われ追われながらも



痩せてささくれた裸の足を晒し

顔を覆う薄布を上げて覗かせた婦人の

俯き加減にだが大きな黒目のいまを

写されている危機の中のなんという微笑

そこにひろげられた写真の

僅かな輝きを私は 私の希望のように

アフガンの記事を切り抜きし始めていた帳面の

一番最初のページにしっかりと貼り付けた

      * アフガニスタンの猛爆される日に…


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