第2回口頭弁論を前に、大集会! 「戦争と戦う人類の戦い」に参加して
   (主催 テロ特措法・海外派兵は違憲 市民訴訟の会 12・21埼玉)      浦和 みなみさん

去る12月21日、「12・8大集会」の主催団体の一つである「テロ特措法・海外派兵は違憲 市民訴訟の会」主催の集会が開催され、私も参加してきました。2002年7月11日に国を相手にさいたま地方裁判所に訴えて以降、すでに第1回口頭弁論が開かれました(10月30日)。これに続く第2回口頭弁論(12月25日)を直前にして、熱気あふれる集会となりました。

 まずは、アメリカによる空爆被害調査とテロ特措法違憲訴訟の原告をさがすためにアフガニスタン現地を訪問した現地調査団からの「アフガン帰国報告」が行われました。発言された尾形憲さん、石田さんのお二人は、集会の前日に真冬のアフガニスタンから帰国されたばかり。アフガニスタンの民衆から直接聞いたことや見たことなど、日本にいる私たちがなかなか聞けない貴重なお話をしてくださいました。

 尾形さんたちは、アメリカによるアフガニスタン爆撃によって被害にあった人々にテロ特措法違憲訴訟の原告になってもらおうということで、現地のさまざまな人々と会ったそう です。アメリカは結婚式会場までも爆撃し、多くの子供も含めた民間人を虐殺しました。この爆撃の被害者を治療した外科医に尾形さんたちは会いに行きました。ところが、アメリカやカルザイ政権の圧力があるのでしょうか、この外科医は「爆撃については知らない」「タリバン政権の時、私たちは給料をもらったこともない」と言って、被害者については堅く口を閉ざしたそうです。また、アフガニスタンの人々の人間的な生活を奪ってしまったのがアメリカの「報復戦争」であり、カルザイ政権のもとで物価が急騰して、人々の生活は非常にひどくなっている、とお二人は怒りを込めて訴えられました。しかしそういう中でも、子供たちの表情は素晴らしい、民衆と民衆との心暖かいつながりが大切だと、と、尾形さんは力強くおっしゃいました。

 お話をうかがい、「タリバン政権が打倒されてアフガニスタンの民衆は解放された」というアメリカ政府の言い分や日本のマスコミの論調が、いかにデタラメなのかということ、そして、国境をこえて民衆どうしがつながっていくことの大切さをあらためて感じました。

 集会では、森井真さん(元明治学院大学学長)の講演も行なわれました。森井さんのお話を少し紹介したいと思います。森井さんは、ご自身が「人間の尊厳」について自覚した契機であるアジア・太平洋戦争の時の経験からお話を始めました。

森井さんご自身も「赤紙」で召集され、戦争を体験したそうです。そして、幸いにも生きて帰ってくることができたのですが、その喜びもつかの間、森井さんと青春時代をともに学び、語り合った、かつ将来も有望されていた三人の大親友全員が戦死したことを聞き、大変な喪失感を味わったそうです。そのときに、森井さんは強く思ったそうです。「絶対に奪われてはならない尊厳を、三人の大親友は奪われたのだ」、と。尊厳とは、「自由の城」である、憲法で保障されている人権にとどまらず、美や自然などに心を揺さぶられる人間の心も「人間の尊厳」に他ならない。そして、それを奪うのが戦争に他ならない――静かな口調ですが、戦争にたいする怒りを感じました。

 さらに森井さんは、ブッダやキリスト、カントらの言葉をも引用しながら、人類はこれまで戦争とどうたたかってきたのかと、壮大な人類の歴史をふり返ってお話しされました。特に、第一次世界大戦、第二次世界大戦では多くの民衆が殺され、これに反対する民衆の運動や、国際条約をつくる動きがでてきたこと、こうして人類は発展してきのだ、とおっしゃいました。

 こうして歴史をふり返ったうえで、今度は、私たちがいる今はどういう時代なのか、そして私たちは何をなすべきかについて、森井さんはお話しされました。特に9・11事件以降、アメリカ政府は「対テロ戦争」と言えば何でもできるかのように振る舞っている。今もイラクを攻撃しようとしているが、それはブッシュがイラクの石油を手に入れたいからにほかならない。これにたいして、ドイツやイタリアなど全世界でイラク攻撃に反対する何万人ものデモがおこなわれている。このような中で、「日本だけが戦争に巻き込まれなければいい、という態度ではだめです」「戦争を防止することは、地球上に生を受けている者の義務である」と力強く訴えて、お話をしめくくられました。

 みずから兵隊にとられ、かけがえのない友を失った経験から語られる森井さんの「人間の尊厳」という言葉には、本当に重みがあります。まさに今、目の前にある戦争にどう反対していくのかを考える上で、私はとても大切なことを教えられたように思います。単に憲法の条文に書かれた言葉としてではなく、二度と戦争を繰り返してはならないという悲痛な思いのこもった「人間の尊厳」を、私も戦争反対の一つの立脚点にしたいと感じました。特に現在、日本では、「イラクや北朝鮮などのテロリストには戦争を仕掛けるのは当然だ」という論調が公然とまかり通っており、私もどう反論したらいいか困るときがあります。しかし、今回の集会でのお話に学びながら、一人でも多くの人にイラク攻撃や有事法制に反対する運動にたちあがってもらえるように、私もがんばりたいと思いました。
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