元山氏の主張に同感
国家の揚棄・廃絶なくして世界平和はありえない

     柴田 高好さん(政治学者)
『反改憲ネット21通信』10月号の元山俊美氏の「『ならず者戦略』が招く反発」に全く同感です。そして、『東京新聞』夕刊の辺見庸氏の論文は圧巻でした。米英仏独伊そして日本、ロシア等の広範な国際反テロ同盟は、まさに国家が国家でしかないという国家の本質的暴力性を、全世界の眼の前に露呈したという事実の指摘は最重要です。そして同時にそれはまた今や国家の揚棄・廃絶なくしては世界の平和はありえないということをも指し示しています。今回の自爆攻撃は結果としてそれを教えていると同時に、自爆攻撃では国家の廃絶はできないことも。10月13日の浜離宮で行われた集会に送った私のFAX文のコピーを同封します。ご活躍を期待しています。
 《10月13日の集会に送ったメッセージ》
 アメリカの社会学者ライト・ミルズの『パワー・エリート』は、アメリカにおける大企業・軍部・大統領、この三者によるけた外れの支配と特権をえがいた。今回の自爆攻撃は、ニューヨークとワシントンにある二つの象徴的建造物を破壊した。まさに、アメリカの国家と市民社会の中枢だ。これに怒り狂ったブッシュ権力は、この悲惨を招いたこれまでの自らの言動を反省するどころか、こともあろうに、これに世界最強の武力攻撃を加え、多くの市民を殺傷している。
 この事態に、好機ござんなれ、千載一遇のチャンスとばかりに便乗し尻馬に乗って、自衛隊の戦闘参加に途を開こうとしているのが小泉内閣だ。口さきでは、武力行使はしない、戦場には派遣しない、歯止めはあるなどといいながら、自衛隊が運んだ物資が武力行使に使われることをはっきり認めている。自分は直接手を下さないが、手を下すものに人殺しの暴力手段を手渡しするというのだ。どっちが悪質か。どっちもどっちなのだ。今はまだこの程度で止まってはいる。しかし、その本当のねらいは、自衛隊をいつでもどこでも動員できる正規軍とすることにある。そして、日本を不完全な半国家から完全な国家にしようということに他ならない。一人前の自前の国家こそその悲願なのだ。軍隊を一切持たないという日本国憲法第九条は、国家を超え、国家を克服する方向性を指向している。だからこそ、この第九条を改悪して、いつでも戦争の出来る日本国家にしようとしているのだ。あの広島・長崎、そして特攻の悲劇を経験した戦後日本は、第九条とともにある反戦・平和の国ではなかったのか!(01・10・13)
◆Copy-right hankaikennet21 All Right Reserved.◆掲載記事・画像の無断転載を禁じます。