Q11. いま、私達にできることは?

A.有事法の問題点を理解し、想像力を働かせ、憲法9条を世界に広げよう

 今回の有事関連3法案は、過去の有事法背研究を引き継ぐものであると同時に、それをもはるかに超えた問題ある法案です。これまで研究されてきた有事法制は、いうなれば日本本土が侵略されたときを想定して、日本がいかに戦争をするのかを明らかにしたものでした。ところが今回の有事関連3法案では、これまで日本が出来なかった海外での武力行使を行うことも可能にしているのです。

この重大な問題点については、法案全体が明るみに出されたのが4月16日の閣議決定後であるということもあって、必ずしも多くの国民が知るところとなっていないのではないでしょうか。
小泉政権は、侵略戦争をも行うことが可能な法案を提出しておきながら、そのことを明確に説明しないどころか、「備えあれば憂いなし」とか「有事に際して国民の生命と財産を守るためのもの」とか、一般的で抽象的な、もしくは国民受けする説明しかしません。ですからなおのこと、私達国民一人一人が、だされた法案の問題点を具体的に把握した上で、何が問題かを自分の意志として訴えていくことがとても大切だと思います。

 また私達は、有事法制の問題を想像力を働かせてとらえる必要があると思います。
アメリカは「テロ根絶」を掲げてアフガニスタンにたいして小型核兵器に匹敵すると言われるほどの破壊力を持った高性能爆弾や劣化ウラン弾をも使って爆撃を加えました。それによってアフガニスタン国内は「9.11は、WTCを瓦礫に変えたが、アメリカは瓦礫のアフガニスタンを砂に返した」と形容されるほど破壊しつくされ、9.11事件の犠牲者をはるかに上回る人々が殺されました。

 ところが、爆撃している兵士自身が、爆撃しているその先で何が起こっているのかを感覚し想像することは無いと言われています。 さらに多くのアメリカ国民は、国家として戦争を行っているとはいえ、アフガニスタンの最前線に行くことはなく、日常生活も大きく変わっているわけではありません。報道規制によってブルカをとって笑顔を見せるアフガニスタン女性の姿は報道されても、塗炭の苦しみを味わわされている数多くのアフガニスタンの人々の姿はほとんど感覚していないといわれています。

 それは何もアメリカ国民に限ったことではありません。
すでに日本は、自衛隊艦船をインド洋に派遣し、アフガニスタン攻撃を行っている米英軍にたいする「後方支援」を行っています。しかしどれほどの日本国民がそのことを自覚し痛みを感じているのでしょうか?
有事法関連3法案が成立し、それを法的根拠にして日本が他国に侵略戦争をさえ行い、私達国民もこれに協力させられることになれば、より直接的に他国の人々の虐殺に手を貸すことになるのです。

 いま小泉政権は、戦争への「備え」として有事関連3法案をつくろうとしています。
しかし、前提となっている戦争そのものをおこさないために、どれだけの努力をはらっているというのでしょうか。むしろアメリカの「対テロ戦争」とその拡大に積極的に協力して参戦し、世界に戦争の火種をふりまいているのではないでしょうか。

 戦後半世紀の歴史において、世界各地で起きた戦争のほとんどはアメリカが行ったものです。
しかも、こんにち「グローバリズム」という名のアメリカン・スタンダードを全世界におしつけることによって世界中の飢餓や貧困はなくなるどころか、逆に増大し、富めるもの(国)との格差はいっそう広がっています。
そればかりではありません。「テロ根絶」とか「自由と民主主義」の名の下に、アフガニスタンやイラクに対しては軍事的「制裁」を加える一方で、パレスチナを占領し、パレスチナの人々を虐殺し続けているイスラエル政府については擁護する、このようなダブル・スタンダードをとっているのがアメリカのブッシュ政権です。それゆえに今世界各地でアメリカ政府を非難する声が高まっているのではないでしょうか。

 戦争は、自然災害ではありません。
それは政府の誤った政策によって行われるものです。ですから私達国民は、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し」(日本国憲法前文)、それを実行するために国家の「戦争放棄」と「戦力不保持」を決めたのです。(憲法第9条)
それはいま、日本だけでなく、全世界で実現することが求められているのではないでしょうか。

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